フランスの買付け
2015年6月11日 木曜日
早いもので1か月が経とうとしていますが
5月中旬から下旬にかけてフランスのブルターニュ地方とプロバンス地方へ装飾品の器を買付けに行ってきました。
パリのシャルルドゴール空港に到着するや否やレンタカーを借りての買付けです。
10日弱の旅で、馬や牛、羊など美しい田園風景を眺めながら、のべ4000キロほどを車で移動しました。
道中の様子はまた改めてご紹介させて頂くとして、訪れた中からいくつかポッタリーをご紹介させて頂きます。
こちらはサンピニーポッタリー(Poterie de Sampigny)http://www.poterie-fresnais.fr/
シルビー(奥様)とフランソワ(ご主人)のご夫婦お二人で30年以上一緒に作陶されています。
フランソワが轆轤をひき、シルビーが絵付けを担当しています。
この建物の至る所に、彼らが作った作品が飾られています。
家の中はもちろんのこと、屋根の上や壁の上などなど。。。どうやって登ったのだろうか想像してしまいます。
彼らの作品と一緒に友人の作品や世界各国から収集した器にオブジェ。そして靴が片方壁にかかっていたり!
次にシャルポッタリー(Poterie des chals)http://poteriedeschals.free.fr/
こちらもナタリー(奥様)とジャンジャック(ご主人)のご夫婦で作陶していますが、こちらは夫婦で全く別の作品を作っています。ナタリーは焼き物で現代アートを作り、ジャンジャックは装飾器と今フランスで人気の庭周りの道具を作っています。絵も彼が描いているのですが、とても素朴で気持が温かくなるものばかり。
ご自宅でお昼を頂いたのですが、マルシェで買ったお肉類にご近所の農家から頂いた野菜や果物などなど。器は友人の作家さんと物々交換で頂いたものだとか。物々交換の生活っていいですね。お野菜を頂く代わりに例えば花器をプレゼントしたり。。。東京で生活をしていると、そんな生活が心から羨ましくなります。
こちらはエギュヴィヴポッタリー(Poterie d'Aigues-Vives)www.poterie.info/
伝統工芸士としての称号を数年前に受けたリシャールエステバンのポッタリーです。
中学を卒業してから轆轤士としての修行に入ったリシャール。
昔の焼き物が盛んに作られていた時代を取り戻そうと、焼き物のマルシェを開催したりと勢力的に活動をしています。
趣味の古い車で、フランスのプロバンスからスペインに渡り2週間のラリーから帰ったばかりのところにお邪魔しました。
現在は、轆轤士のアルノーと工房の様々な事を取り仕切ってくれるアシスタントのカティアと共に工房で作陶しています。
最後は、ノットポッタリー(Poterie Not)www.poterienot.fr/
1857年創業。目の前に運河が流れ、周りは田園風景が果てしなく広がる村にノットポッタリーはあります。
この土地伝統のカスレという豆料理などの専用鍋をありとあらゆるサイズ作り、また春先になると庭先の植木鉢などありとあらゆる日用品を作る窯です。フランスでは珍しく、未だに大きな登り窯で窯入れをするノットポッタリー。器作りをする他の地方の職人達が、このポッタリーは絶対に行った方がいい!フランスの伝統が今まだ見て取れる珍しい窯だからと勧めてくれたポッタリーでした。私たちが訪れた時は、春ということもあり庭先の植木鉢や壁掛けがありとあらゆるサイズで並んでいました。これからバカンス時期に向けて、フランス人たちは準備を始めます。家族や親戚が皆多く集まるので、多くの方々が大きなサイズのグラタン皿やカスレの鍋、鶏の蒸し器、大鉢などを買い求めにくるそうです。そういった人々の伝統的な流れ・需要に応じて、様々なものを作るノットファミリーを中心とした職人の共同体がノットポッタリーです。
どのポッタリーからも「平和思想」「土地への感謝」「受け継がれた伝統への感謝と尊敬そして責任」をひしひしと感じました。
そして器からは「生きる喜び」が溢れていました。彼らが作るものそして想いをどうやってきちんと伝えられるか。
出来る限り多くの日本人はもちろん、まだ知らないフランス人にも良さを伝えたいと思った旅でした。
他にも色々と周り、これら以外のポッタリーからも入荷いたしますし、アンティークやタイル、カゴなども少量ですが入荷いたします。
「フランスの器」展を工芸喜頓にてしたいと考えております。
詳細等決まりましたら、改めてご案内させて頂きます。