志和地窯

志和地窯

佐藤俊郎

  • 広島県三次市

略歴

17歳で生まれ育った青森県弘前市を離れ、兵庫県丹波立杭の丹窓窯に弟子入りし4年間修行する。
その後、岡山県倉敷市の倉敷みなと窯 沖塩 明樹氏の下で14年間修行する。
独立し、広島県三次市志和地で1979年京都式登窯を築く。
地元の素材を使った日常使いの器を作り続けている。

倉敷みなと窯での修行時代に出会った奥さまのご親戚がいらっしゃる広島県三次市に、佐藤さんの念願であった京都式の登り窯を築いたのが1979年。最近では交通の便も少し良くなりましたが、田畑が広がる三次で佐藤さんは作陶されています。


志和地窯の佐藤さんの器に出会ったのは、倉敷の民芸店「融/とおる」さんでした。
飯碗が昔ながらの形で、高台から飯碗にかけての形がとても誠実で美しい形をしていたので買い求めました。そして佐藤さんの師匠である倉敷みなと窯 故 沖塩明樹氏の奥さまに出会い、ひょんなことから奥さまより沖塩さんの器を頂いたのも「融」さんでした。沖塩明樹さんは、倉敷で生まれ長年一筋に日用雑器を作り続けられました。その職人としての誠実な仕事は、倉敷民藝館の創設五十周年記念特別賞が贈られたほどです。昭和33年の「民藝六月号」において柳宗悦しが「筋の通った雑器」として賞賛し、倉敷民藝館初代館長の外村吉之介氏が、かたく雑器の用の美を志し変わらぬ仕事を高く評価した沖塩氏。のちに倉敷民藝館が「沖塩明樹の仕事」と題した本を発行しましたが、その中で沖塩氏は「茶碗やの兄さん(あーさん)で始まり、茶碗やのおじいで終われば十分」と語られるように、用の美の日用雑器の職人に徹した沖塩氏。その沖塩氏に14年間もの長きに渡り師事したのが、志和地窯の佐藤俊郎さんです。

佐藤さんは、志す和の地と書くこの土地が気に入りこの地名を大事にしたいと思い窯の名を志和地窯としたそうです。心がけるのは、日常だれでも用いられる器、大胆な紋様や色合いではなく日常の心穏やかな器です。

さりげなく窯に貼られているこの写真は、倉敷に訪れた濱田庄司氏とバーナード・リーチ氏を佐藤さんが撮影したものだそうです。

佐藤ご夫婦。奥さまは独身時代、まだ佐藤さんにお会いになる前から器がお好きで、お給料の中から好きな器を買い求めていたそうです。その中に、偶然にも佐藤さんが作った器があったとか。

職人として歩んで来られた佐藤さんに色々な相談をさせて頂きながら、佐藤さんの長年の繰り返しの経験による仕事がきちんと見える器をご紹介できればと思っています。

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