五十嵐元次
福島県会美里町に工房を構える五十嵐元次(いがらしもとじ)さん。ご自宅兼工房は気持のいい田園風景が見渡せる高台にあります。工房には心地のいいクラシック音楽が適度なボリュームでかかっていました。ご自宅や工房には、アンティーク屋や骨董屋で買い求めたという世界各国の品々が飾られていました。室内や玄関先にも五十嵐さんが作り奥様が絵付けをしたタイルが飾られていました。お二人で時々海外へ旅行に出られるそうです。お邪魔した際には、ハンガリーとオーストリアにご夫婦で行かれる前でした。
五十嵐さんは白磁と青磁で作陶をされていますが、どちらも素朴さと温かみを感じます。柔らかさともまた違う素朴さです。最初に五十嵐さんにお会いした後、お忙しい個展のさなかにも関わらず五十嵐さんが店に足を運んで下さいました。店内は自然光が入る作りになっているので、白磁や青磁がありのままに美しく見えるとおっしゃいました。まさにその通り。青磁は自然光を吸収するかのごとく水の様な輝きを放ち、見とれてしまいました。そして白磁はキリリとした雅な佇まいではなく、ただそこにあるとでも言うかの様な存在感で主張しすぎないものでした。
五十嵐さんのもの作りには、民芸で言われる「用の美」が徹底されています。そして日用品として使って欲しいとの思いからつけられた買い求めやすい値段。客室には、白磁と共に沖縄の器やガラスが並び、五十嵐さんが作られるものからなぜ素朴さを感じるのか垣間見れたような気がしました。
なお、五十嵐さんは工房に販売所を設けていらっしゃいません。
一般の方への販売はされていませんので、何卒ご理解のほどお願いいたします。
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