袖師窯

袖師窯

尾野友彦

  • 島根県松江市

略歴

1877年 初代 尾野友市氏が松江市上乃木皇子坂に開窯
1893年 二代目 尾野岩次郎氏が袖師浦に窯場を移す
1931年 三代目 尾野敏郎氏が民藝運動に参じ民藝へ移行
1958年 ブリュッセル万国博にて「掛分酒器」がグランプリを受賞
1984 四代目 尾野晋也氏が継窯し、島根県ふるさと伝統工芸品指定を受ける
島根県展金賞、国画会展新人賞、日本民藝館奨励賞等多数受賞など数々の賞を受賞
2012 四代目 尾野晋也氏が他界しご子息であり五代目 尾野友彦氏が継窯
2017 開窯から140年目を迎える

築100年以上の木造の作業場で日用品としての焼き物を作り続けている袖師窯。と言っても袖師窯の歴史はさらに古く、初代 尾野友市氏は布志名および楽山上の茶碗屋の民窯で、出雲の陶法を学び1877年(明治10年)に良質の陶土がある松江市上乃木皇子坂に開窯しました。

2代目 尾野岩次郎氏は1893年(明治26年)に、夕日の美しさで知られる宍道湖岸の袖師浦に窯場を移し、5室の登り窯を築きました。

3代目 尾野敏郎氏は、1931年(昭和6年)に島根を視察された柳宗悦氏の「民芸運動」に多大なる影響を受け、同じ郷土出身である河井寛次郎氏や益子の濱田庄司氏、イギリスのバーナード・リーチ氏などの指導を受け、今日に至るまで民藝陶器の窯として継承されてきました。

1958年には、ブリュッセル万国博にて「掛分酒器」がグランプリを受賞。1984年には4代目 尾野晋也氏が窯を継承し、島根県ふるさと伝統工芸品指定を受けました。4代目は島根県展金賞、国画会展新人賞、日本民藝館奨励賞等多数受賞など数々の賞を受賞し、民藝陶器として定番商品とは別に、作品としてもお人柄を表すようなどこか優しさを持つ誠実で落ち着いた素晴らしい作品を数多く手がけられました。(下の写真の左側に座って仕事をされているのが4代目の故 尾野晋也氏)

袖師窯の特徴としては、出雲に伝承された技法を基礎とし地元の土と原料を使い、耐久性のある使いやすく簡素な中にもどこかうるおいを感じる日用品としての焼き物を心がけて作っていらっしゃいます。釉薬は、地釉薬、柿釉、呉須釉、藁白釉、糠白釉、辰砂等が使われ、技法は掛分、抜蝋文、鉄絵、刷毛目、釘彫、櫛目などが用いられています。

しかし最たる袖師窯の特徴は、器を使う人とその食卓を考えて作られた器ということではないでしょうか。人々の生活の変化に合わせて使う人の要望に沿った民藝陶器の焼き物という印象を受けます。おごることなく器と日々向かい合っている袖師窯の陶工の方々や、器からも見受けられるとても誠実な器です。

2012年師走に四代目の尾野晋也氏が他界されましたが、現在はご子息であり五代目の尾野友彦氏が継窯され、お兄様と代々袖師窯に仕えていらっしゃる轆轤師の方が仕事を継承されています。2017年には開窯140年目を迎えられました。

フォトギャラリー


ギフトラッピング

日々の暮らしではギフトラッピングを承っております。

ご利用方法

ニュースレター

ニュースレターを購読:

買い物かご

現在、買い物かごには何も入っていません。