ジャン・ミシェル・ドワ
パリとリヨンの中間地点、ヨンヌ県のクランジュスールヨンヌにジャンジャック・ドワさんのアトリエはあります。麦畑が続く田園風景の高台にあるアトリエは、彼が彼の父と共に1968年に移り住み、木を切り小屋を作る土地をならし、一つ一つ作り上げた積み上げた山小屋です。山の傾斜を利用した工房兼住宅は、素朴さと力強い美しさが溢れています。
彼が高校の美術の先生に教えて頂いたピエルロ一族によるラティイ城で開催されていた焼き物と現代美術展で、濱田庄司とバーナードリーチの焼き物に出会います。それが陶芸家になろうと決心した出会いだったと言います。
修行を積んだ二箇所の工房では、サンアマンの土地の伝統的かつ革新的な民芸の焼締作りを学びます。山の土地を買い、木を切り土地をならしてから彼の父と共に1968年に建てた工房の隣には、3練の登り窯があります。バーナードリーチがイギリスのリーチポッタリーに建てた登り窯を、バーナードリーチのもとで修行した友人に教えてもらいながら建てたとのこと。その登り窯を使って彼が探求している高温での焼き物作りと共に、カタローニャ出身であるからゆえのバロックスタイルとスリップウェアへの造詣へと食器そして壁や屋根瓦、屋根の装飾品などの建築物へと広がっていきます。
土と釉薬の研究に情熱を注ぐジャンミッシェル。現在のパートナーである陶芸家でパリ美術大学で陶芸を教えているマリールーシー・トランカンと共に、時間を見つけては釉薬となる石を友人の研究者たちと共に採掘しに行き、釉薬の試験をしています。彼が使う土に合うか、彼の窯に合うか。工房にお邪魔した際にも、工房入り口には様々な石が採取した場所の詳細が書かれた紙と共に置かれ、研究の最中でした。古いもの、昔ながらの造形をただ表面だけ真似るだけではなく、伝統を継承することで規制をかけながらそこに躊躇のない研究と生活が伴い、生き生きとしたものが生まれる。フランスを周るとフランス人の創造性に改めて驚かされます。
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